英国イートン・サマースクール 体験記
I is a girl.
これは私が実際に、中1の最初のテストで書いた英文。当時は本当に英語の勉強法を知らなくて、どうしたらいいのかもわかりませんでした。でも分からないのが悔しくて、色々な勉強法を試して、頑張って頑張って。そうして私は「イートンサマースクールに行って、自分の英語を試したい」そう思うまでに成長したのです。
7月24日から8月8日までの二週間という、長いような、でもきっと刹那に過ぎていくであろう旅。その始まりの日は3時に起きて羽田空港へ向かいました。親元を2週間も離れるというのが初めてで不安で、でもちょっとウキウキして、なんだか楽しみと不安が混在した、冒険前のような気持ちでした。
イギリスについてからは、空港にある広告が全て英語であることに気づいて「ああ、ついに私日本から出ちゃったんだ」ということを強く実感しました。イートンのスタッフの方々と合流してからは、出される指示もこちらからの質問も、全て英語で行いました。イートンに到着してからは、沢山の歴史ある建物が織りなす異国情緒あふれる風景に一瞬で心を奪われました。「ここまで来たなら、もうあとは楽しんだもん勝ちだ!」きっとここでしか見つからないものがあると思うと、とても気分が明るくなりました。
一日のうち、午前は3回の授業とイートンやトリップ先に関するレクチャー1回、午後はイートンの敷地内でアクティビティをして過ごすことが多かったです。授業では本場の英語に触れながら、イングランドの歴史や文化を学んだり実際に英語でディスカッションしたり発表をしたりしました。文法が完璧であることよりもとにかく話してみる、ということが重視されていて、突然当てられて話すことになるということもよくありました。「出たとこ勝負でもいいので話す」というのは日本ではあまりやらなかったので、とても新鮮に楽しく感じました。
授業がない日はソールズベリーやウィンザー、ロンドンにトリップに行きました。見るもの全てに日本にいては気付けなかった驚きがありましたが、中でも印象的だったのは大英博物館とポーツマスです。
大英博物館ではロゼッタストーンを始めとして、世界史の教科書で見た史料の実物が沢山目の前にあるという事実に感動しました。展示品の説明が英語で書いてあるのですが、それを読めた時や先生の説明がわかった時は英語を勉強してきて良かった、諦めずにコツコツやってきて良かったと思いました。また、その史料の歴史的価値を感じられた時には、世界史を勉強することの意味を実感しました。
ポーツマスでは、特に「大英帝国」という国を強く感じました。軍港ポーツマスから出撃した代表的な戦艦の展示を見たり、そんな戦艦の一つであるHMSヴィクトリー号の船内を実際に歩いて見学したりしました。このHMSヴィクトリー号は日本への出撃経験もある船で、「昔私たちの国を攻めに来た船に乗る」と言う所に、なんとも言えない時の流れを感じました。沈没船メアリーローズ号を最初に見た際には、ただ純粋に「大きい」とだけ感じました。しかし展示や説明を見ていると、その船での生活や船員の人柄がわかってきて、この大きな船が背負っていた人生や物語の数を感じました。
イギリスは日本よりも緯度が高いので、日差しが強く寒暖差が激しくて、夜も8時くらいまで明るかったです。また、その乾燥した気候のせいか、最後の方で一度喉風邪を引いたのですが、その時も自分の体調が悪いということや、どこが痛いのか痛くないのかを、英語で、現地のスタッフに直接言いました。その時英語が正確に通じて、的確にお薬やアドバイスをしてもらえた時は安心しました。
英語に対して私は、日本語との共通点が少ない分、勉強も使うことも難しいと感じていました。しかし、海外で英語で会話が出来る、英語だけで観光が楽しめるということが思っていた以上に嬉しくて、これからのモチベーションになりました。
現地で私達と行動を共にしてくださったイートンのスタッフの方々や、引率の先生方、一緒にアクティビティをした他校の生徒さん、色々な所に連れて行ってくださったバスの運転手さん、一緒にイギリスに行った学習院の仲間達など、多くの方々のサポートや絆に心から感謝します。
(高2生徒)