高等科修学旅行
11月12~16日、修学旅行で奈良・京都を訪れた高等科2年生の作文をご紹介します。文中の「真珠会」は現高2の同窓会名です。
「修学旅行で得たもの」
私が今回の修学旅行で最も強く実感したことは、常に自由には責任が伴い、自由であることと責任は表裏一体なのだということだ。
今回の修学旅行では、中三の時と比べても格段に自由度が上がった。少人数で行き先も自分たちで決定する自主研修があり、さらに京都の研修ではメンバーを組むところから自分たちで行う自由班での自主研修もあった。また、中三の時にはコロナウイルスの影響で部屋移動ができなかったり、食事も黙食だったりと制限が多かったが、今回はそのような制限も特になく過ごすことができた。
そのように自由度が増した今回の修学旅行を通し、改めて「自由」について考えた。自由というのは、相手への信頼のもとで初めて成り立つものだと思う。今回のプログラムで自主研修の行程を入れ、ホテルでの行動制限を緩和してくださった意味を考えると、自分たちの興味のある場所を訪問できるよう、また、ホテルでの時間を最大限楽しむことができるよう、私たちを信頼した上でより有意義で充実した時間を過ごせるようにということだろう。それに伴って、当然、一人一人が自分の行動により一層責任を持たなければならない。例えば、自主研修中は引率の先生もいらっしゃらないため、時間の管理など自分たちで考え、何か問題があった時には臨機応変に対応しなくてはいけないことが増えるということだ。
そして私は、自由度が増した状況において、何かを進めていくためにはその集団の団結力が必要不可欠だと考える。自分たちで決めることが増える分、全員が自分事として、その集団の一員であるという自覚を持たないと、まとまりがなくなり、「自由」を有意義に活かせず、むしろ「自由」がない時よりも実りのないものにもなり兼ねない。今回の修学旅行では、私たち真珠会の団結力を発揮でき充実した五日間にできたのではないかと思う。集合の時に点呼を素早く取るために静かにする、など小さな意識を一人一人が変えるだけで団結力はぐっと強めることができるし、全員が責任感を忘れなければ、自由度が上がってもそれを上手く活用し、経験の幅を広げてこの先に繋げていくことができる。
三学期からはいよいよ私たち真珠会が学校の最高学年になる。修学旅行は、その前に真珠会の絆、結束を深める最後のチャンスだったが、私は今回の修学旅行を通して、これからこの学年が一丸となって学校を引っ張っていく存在になるのだと改めて自覚することができた。部活動、委員会、学校行事などでもトップとして後輩たちをまとめていく立場になると、自分たちで自由に考え決定できることも増えるが、その一方でそれは責任を負う立場になるということだ。今回の修学旅行を終えてそれを再認識することができ、学校を創り上げていく最高学年という、私たちに迫り来るその立場を担う覚悟に繋げられて、未来に向けて一歩成長できた行事だったと思う。
高等科修学旅行 主な行程
[第1日](東京→名古屋→奈良)室生寺
[第2日]談山神社・吉野/明日香班別自主研修
[第3日]奈良コース別見学(斑鳩・西ノ京・石仏・奈良公園・山の辺)/東寺
[第4日]京都班別自主研修
[第5日]京都コース別見学(比叡・大原・洛南・高雄・東山)/(京都→東京)
吉野(蔵王堂)
談山神社